対話とモノローグ

弁証法のゆくえ

帰納的とアポステリオリ

フランシス・ベーコン(1561―1626)とヨハネス・ケプラー(1571―1630)は同時代を生きている。演繹や単純枚挙の帰納とは違った新しい道具としての「帰納」は着目され始めたばかりである。ケプラーが使う「帰納」は、幅広い意味を持っているだろう。ミルの「帰納」もパースの「アブダクション」も含んでいる。『新天文学』に、帰納にアポステリオリと補足している箇所(33章)がある。

「私がすでにかなり長い推論を通じて(観測結果から)帰納的(a posteriori)に証明したこと」

アポステリオリの原意は「後に」で、後天的、経験的の意味である。
ちなみに、この帰納的(a posteriori)は、演繹的(a priori)と対比されている。