対話とモノローグ

弁証法のゆくえ

4元数

幻視のなかの橋4(改訂)

4 i2=j2=k2=ijk=-1 ij=-ji=kからどのようにして基本公式 i2=j2=k2=ijk=-1 が出現したのだろうか。 次の図を出発としよう。 ここは3次元で3つの軸(実軸1、虚軸i,j)が示されている。 1-i-i2は、垂直の平面を回転して-1に達する。 1-j-j2は、水平の平面を回転し…

幻視のなかの橋5

5 公式の整理 (注、これは「2つの公式の違い」と「発見の意識と無意識」を編集したものである。) ハミルトンは1843年10月16日、2種類の公式を書いている。 朝、手帳と橋の欄干に書いたもの。 i2=j2=k2=ijk=-1 夜、ノートに書いたもの。 i2=j2=k2=-1 ij=k…

幻視のなかの橋4

4 i2=j2=k2=ijk=-1 ij=-ji=kからどのようにして基本公式 i2=j2=k2=ijk=-1 が出現したのだろうか。 出発とするのはi2=j2=-1が示されている次の図(矢野忠『四元数の発見』参照)である。 ここでは3次元で3つの元(1,i,j)が示されている。ここにはまったく歪み…

止揚の「間」

ハミルトンは4元数を発見して、3次元空間の点(x,y,z)は、 x+iy+jz ではなく ix+jy+kzであることを示した。 基底を3元(1,i,j)から3元(i,j,k)に変えたのである。 これを、1が「止」まってkが「揚」がっていることに着目して、ハミルトンの止揚と名づけた。 3元…

発見の意識と無意識

1843年10月16日の朝、ハミルトンの脳裏に次の公式が浮かんだ。 i2=j2=k2=ijk=-1 その夜、この出来事を振り返って4元数の存在を確かめている。ハミルトンのノートを読んでいて、以前、興味をもったのは、ij=0の可能性について言及されていることであった(「2…

虚数のウロボロス

3元数の積の行きどまりを打開する関係ij=-ji=k。この等式の自己表出が高まり指示表出が広がる。これは外積のウロボロス構造として現れる。 ハミルトンの頭の中に気づかれることなく入り込んだみずからの尾をかむ蛇。 このあとでi・j・k(3つの虚数)とi2=j2=-1…

ハミルトンの止揚

ハミルトンは空間ベクトルを4元数の虚部と同定した。これをハミルトンの止揚とよんでみよう。そのこころは? ハミルトンは平面のベクトル「複素数」(2元数)と対応させて空間ベクトル「3元数」を構想した。 簡単にたどってみよう。 2元(1,i) ↓ 第3の元jの発…

2つの公式の違い

ハミルトンは1843年10月16日、2種類の公式を書いている。 朝、手帳と橋の欄干に書いたもの。 i2=j2=k2=ijk=-1 夜、ノートに書いたもの。 i2=j2=k2=-1 ij=k,jk=i,ki=j ji=-k,kj=-i,ik=-j この2つの式は4元数の公式として同じものである。しかし、朝の1行の…

拡張

2元から4元へ。出発点にもどれるように拡張されていて感動する。 2次式の因数分解(共役に着目) a2+b2 =(a+bi)(a-bi) a2+b2+c2+d2 =(a+bi+cj+dk)(a-bi-cj-dk) オイラーの公式(虚数単位などに着目) eix =cos x + i sin x eix+jy+kz =cos √(x2+y2+z2) + (i…

幻視のなかの橋2(改訂)

4元数の考察を始めたが、途中から「幻視のなかの橋」というイメージが出てきた。幻視のなかの橋2は、すでに書いていた記事(2つの原則、2元数と3元数、3元数の積)を前提にしていたので、「幻視のなかの橋」の2としては不十分なものになっているように思え…

幻視のなかの橋3

3 ijk=-1 2つの原則を3元数の積に適用としたとき、非可換な関係と第4の元の関係式 ij=-ji=k が出現する。 i2=-1,j2=-1を基礎にk2の値を調べてみると、 k2=(ij)2=ijij=-i(ij)j=-iijj=-i2j2=-1 であった。i2=j2=k2=-1となり、虚数単位として整合的で等価なもの…

幻視のなかの橋2

2 第4元kの場所 複素数が基礎である。iとi2の表示は次のようだった。 ハミルトンは複素数の二つの元1とiに対して垂直な第3の元jに気づく。 jとj2の表示は次のようだった。ここが出発点だった。 3元数の積(a+bi+cj)(x+yi+zj)は2つの原則(体の原則と絶対値の…

幻視のなかの橋1

1 外積のウロボロス構造 ウロボロスとは、自分で自分の尾をくわえて円を形づくる蛇の姿を指す。ここで外積のウロボロス構造というのは次の図のことである。 これは『とんでもなく面白い 仕事に役立つ数学』(西成活裕著)で4元数の計算規則の暗記方法として…

3元と4元

(ai+bj+ck)(xi+yi+zk)、見かけは3元i,j,kだが、実際は4元1,i,j,kである。 (ai+bj+ck)(xi+yi+zk) =-(ax+by+cz)+(bz-cy)i+(cx-az)j+(ay-bx)k i2=j2=k2=-1を使った。 左辺の虚軸3本に対して、生成した実軸1はどのようにつながっているのだろう。 (a+bi+cj)(x+yi…

4元数・3元数・2元数

4元数の積は次のようになった。 (a+bi+cj+dk)(x+yi+zj+wk) =(ax-by-cz-dw) +(ay+bx+cw-dz)i +(az+cx+dy -bw)j +(aw+dx+bz-cy)k ここで、d=0,w=0とおくと3元数の積が現れる。 また、c=0,d=0,z=0,w=0とおくと、2元数(複素数)の積が現れる。 2元数(複素数…

4元数の積2

4元数の積は次のようだった。 (a+bi+cj+dk)(x+yi+zj+wk) =(ax-by-cz-dw) +(ay+bx+cw-dz)i +(az+cx+dy -bw)j +(aw+dx+bz-cy)k 4元数が絶対値の原則を満たしているかどうかみておこう。 |pq|2=|p|2|q|2の確認である。 いま、次のようにおく。 A=ax-by-cz-dw …

4元数の積1

4元数 (a+bi+cj+dk)と(x+yi+zj+wk)の積を考える。 まず、ij=-ji=k,k2=-1を基礎に虚数単位i,j,kの関係を確認しておこう。 jk=jij=-ij2=i kj=ijj=ij2=-i ki=iji=-i2j=j ik=iij=i2j=-j ij=k,jk=i,ki=jである。虚数単位の積は、循環していて整合的である。 4元数…

3元数の積

3元数a+bi+cjとx+yi+zjの積をみる。 (a+bi+cj)(x+yi+zj) =(ax-by-cz)+(ay+bx)i+(az+cx)j+bzij+cyji 下線部の項によって3元数の積は3元数にはならない。ij=X+Yi+Zjと変形できるとも思えない。閉じていない。3元数は体の原則を満たしていないのである。 下線部…

2元数と3元数

複素数の二つの元1とiは次のように表示される。元1を原点Oを中心にしてπ/2=90°回転すると元iが得られる。さらにiをπ/2=90°回転すると-1が得られる。複素数(2元数)a+biは実軸Re(x軸)、虚軸Im(y軸)の平面上の点(a,b)を表わす。 ハミルトンは複素数の二つの元…

2つの原則

ハミルトンは複素数の二つの元1とiに対して垂直な第3の元jに気づく。 ハミルトンが複素数から類推して3元数を構想したとき、端的にいえば、2つの原則があった。 1 体の原則 加減乗除について閉じていること 2 絶対値の原則 絶対値の乗積は、乗積の絶対値に等…

内積と外積の幾何

四元数の純虚数部は3次元(i,j,k)だが、2元(i,j)だけを考える。いいかえれば空間ベクトルではなく平面ベクトルを考える。 z=ai+bj w=xi+yj いま、z,wを極形式で表わすと、 z=r(icosθ+jsinθ) w=s(icosφ+jsinφ) r,sは絶対値、θ,φは偏角である。 (「ハミル…

ベクトル・内積・外積の起源

これらの起源は四元数の純虚数の積にあるようだ。いいかえればハミルトンにある。四元数の純虚数ai+bj+ckをベクトルとよぶ。 四元数の純虚数ai+bj+ckとxi+yi+zkの積を考える。 (ai+bj+ck)(xi+yi+zk) =-(ax+by+cz)+(bz-cy)i+(cx-az)j+(ay-bx)k ここで実部(前…