3年ほど前に、『数の大冒険』を読んでいて間違いを見つけた。志賀先生の他の本も見てみると、同じ間違いがそのまま載っているのもあったし、訂正されている本もあった。
以前の記事をここにまとめておく。(「2度も見逃さた校正1,2」」
1
しばらく前に『数の大航海』のネイピアの対数の定義の箇所を読んでいた。ふと気づくと、90ページの図が、間違っているのである。107とあるべきところが、10-7となっている(2か所)。87ページの図と比べればおのずとわかる間違いであり、本文では正しく107とあるので、声を大きく言うほどのことではなかったのだが、ところが、『数学の流れ30講 中』(今日、図書館で借りてきた)の207ページにも同じ図が、同じ間違いのまま提示してあって、一言いいたい気持ちになった。おそらく、志賀浩二先生は原稿の図にうっかり10-7と書いたが、107のつもりだったのだろう。先生には10-7が107に見えていたのである。
校正は原稿と正しく突き合わせて行われたと思うが、内容とも突き合わせて行う必要があった。先生の思い込みを指摘する必要があった。
2
ネイピアの対数の考えを説明する図が、『数の大航海』でも『数学の流れ30講 中』でも同じように、107とあるべきところが、10-7となっている(2か所)と述べ、校正の不備を指摘した。
ところが、『中高一貫数学コース 数学3をたのしむ』では正しく107となっていた。

しかも、前2書の本文の説明で、不親切と思われた展開も、志賀先生らしく配慮が届いていた。
P1P2~10-7×107(1-10-7)=1-10-7を示した後、
前2書では、
P2O~107(1-10-7)-(1-10-7)=107(1-10-7)2
となっているだけだったが、
後書では、
P2O~107(1-10-7)-(1-10-7)
=107(1-10-7)-10710-7(1-10-7)
=107(1-10-7)2
となっていたのである。
『数の大航海』(1999年、日本評論社)
『数学の流れ30講 中』(2007年、朝倉書店)
『中高一貫数学コース 数学3をたのしむ』(2003年、岩波書店)
岩波書店の校正に軍配が上がる。